薬局コラム

2018年度調剤報酬改定を受けての各社の初動と予測

経営全般

皆さま、こんにちは。船井総合研究所の清水です。
2018年度診療報酬改定の答申を経て、3月5日の官報告示、
そして、同日に厚労省から動画配信された
「平成30年度(2018年度)診療報酬説明会」を
ライブで視聴された方もおられたかと思います。
 
今後は月末までに幾度にもなる疑義解釈・Q&Aが公表され
不明確な施設基準や算定要件が明らかになります。
可能な限り4月からの算定に向けてギリギリまで準備をしたいところですね。
 
それでは早速、本題に入りたいと思います。
  
今回の改定は、大雑把に言うと、
“中小には優しく、大手・中堅どころの薬局チェーンには厳しい”
 
と評する方が多いのですが、本当にそうでしょうか?
中小に優しく、とは何を指して言っているのでしょうか?
 
どうも、これが指しているのが以下の事柄のようです。
 
(1)「調剤基本料1が維持できるから」
(2)「調剤基本料2にランクダウンする店舗がないから」
(3)「地域支援体制加算が算定できそうだから」
 
★★単一建物診療患者が1人の場合の在宅薬剤管理★★
↑↑↑↑↑
上記の実績、本当に大丈夫?? 調剤基本料1にも適用です!
 
1)麻薬免許/2)在宅実績/3)かかりつけ薬剤師の届出
 
◆[単一建物診療患者の人数]
 
2)ⅰ) 当該患者が居住する建築物に居住する者のうち、
    当該保険薬局等が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する者の人数を
    「単一建物診療患者の人数」という。
    なお、ユニット数が3以下の認知症対応型共同生活介護事業所については、
    それぞれのユニットにおいて、居宅療養管理指導費を算定する人数を、
    単一建物診療患者の人数とみなすことができる。
 
  ⅱ)以下の場合は、それぞれの患者に対し
    「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する。
 
 ア)同居する同一世帯に、訪問薬剤管理指導を行う患者が2人以上いる場合
 イ)訪問薬剤管理指導を行う患者数が当該建築物の戸数の10%以下の場合
 ウ)当該建築物の戸数が20戸未満にあって、訪問薬剤管理指導を行う患者が2人以下の場合
 
 
(4)「後発医薬品調剤体制加算1or2が算定できそうだから」
(5)「調剤料の減収分の影響はそれほど大きくないから」 
                            などなど
 
でも、でもですよ。
 
調剤基本料2、3におさまる薬局店舗を抱える薬局様は、
地域支援体制加算の施設基準にある
「地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績」とされるものが、
1年に常勤薬剤師1人当たり、以下の全ての実績を有することとして、
以下の8項目が挙がりましたが、これを何とか算定しようと努めるはずです。
少なくとも大手・中堅どころのチェーン薬局さんは。
   
①夜間・休日等の対応実績 400回
 【実績要件】
  ●時間外等加算又は夜間・休日等加算に規定する加算の
   算定回数が合算して計400回以上である。
 
②重複投薬・相互作用等防止加算等の実績 40回
 【実績要件】
  ●重複投薬・相互作用等防止加算に規定する加算又は
   在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定回数※ が合算して計40回以上である。
 
③服用薬剤調整支援料の実績 1回
  【実績要件】
   ●服用薬剤調整支援料の算定回数※ が1回以上である。
 
④単一建物診療患者が 1人の場合の在宅薬剤管理の実績 12回
  【実績要件】
   ●在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、
    在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は
    介護予防居宅療養管理指導費について単一建物診療患者が
    1人の場合の算定回数が合算して計12回以上である。
     ⇒在宅患者調剤加算(15点)の在宅実績10回/年も同様!
 
⑤服薬情報等提供料の実績 60回
  【実績要件】
   ●服薬情報等提供料の算定回数※ が60回以上である。
 
⑥麻薬指導管理加算の実績 10回
  【実績要件】
   ●居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費の
    麻薬管理指導加算に規定する加算の算定回数※ が合算して計10回以上である。
⇒半年に限り1回でよい!(経過措置あり)
 
⑦かかりつけ薬剤師指導料等の実績 40回
  【実績要件】
   ●かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料の算定
    回数が合算して計40回以上である。
 
⑧外来服薬支援料の実績 12回
  【実績要件】
   ●外来服薬支援料の算定回数※ が12回以上である。
 
※かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、
 これに相当する業務を実施した場合を含む。
 
 注)こちらの「地域支援体制加算」に関しては新設のため、
   施設基準の実績要件の適用期間に関して経過措置あり。
 
 
すると、大手・中堅どころのチェーン薬局さんのレベルばかりが上がり、
変に調剤基本料1を維持できてしまうところは、
上記項目の算定に対しては「ウチには関係ない内容!」としてしまう。
となると、調剤基本料1を維持できた薬局さんは
取り残されてしまうのではないかと私は危惧しております。
  
要は、大手・中堅どころのチェーン薬局さんのかかりつけ薬局化・薬剤師化だけが加速するばかり、
というのが目に見えるという事態になりかねないのではないか?ということを言いたいのです。
 
是非とも、調剤基本料1が維持できそうだと一安心することなく、
上記①~⑧の各項目に対して、まず薬局さんでの算定を目指し、
次なるステップとして、常勤薬剤師さん個々人での算定、ということを
2020年度調剤報酬改定に向けて邁進していただけたらと思います。
 
最後にひとこと。
2016年度の調剤報酬改定から、薬局としての評価から、
薬剤師個々人への評価に移行した、という認識を持つことが必要かと思われます。